【ハーモナイズ】メロディーにコードをつける。

【ハーモナイズ】メロディーにコードをつける。

 コードからメロディーを作るのではなく、頭に浮かんだメロディーの音をとるなどの方法で先にメロディーを作った場合、当然ながらアレンジする時に後からコードをつける事になります。今回は出来上がっているメロディーにコードつける方法について解説します。

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ハーモナイズ

 メロディーにコードをつける事や、クラシックなら単一のメロディーに声部を重ねる事をハーモナイズと言い、アレンジまで完成している曲のメロディーに別のコードをつけて新たにアレンジし直すことをリハーモナイズ、略してリハモと言います。

 リハモという言葉がある所からも分かるようにあるメロディーに付けられるコードは何通りも有ります。

 ですからメロディーにコードをつけるのは分析して決まった答えを割り出すのではなく、そのメロディーをどういう風に響かせたいのかを考え、響きを作り上げる作業になります。

 その際、考えるべき要素は、コード進行それ自体の響きとメロディーの音がコードの中でどういう響きになるのか、という事です。コード進行それ自体の流れや響きはコード進行を先に考える場合とほぼ同じですので過去記事でも参照して頂くとして、今回はメロディーの音がコードの中でどういう響きになるのかの考え方について書きます。

メロディーにコードをつける方法

 先に書いたように、メロディーにコードを付けるというのは、分析して答えを求めるものではありませんが、それでもやはり考えるための多少の分析と手順みたいなのモノも有ります。と言ってもやはり主には響きをどうイメージするかという事になりますが。

 ハーモニックリズム

 コードが変わる周期と言うか、コードが変わってから更に次のコードに変わるまでの長さをハーモニックリズムと言うのだそうです。

 もちろん部分的に変化するのは全然構いませんが、一応最初にどれくらいの長さ毎にコードが変わるのかを決めると良いと思います。

 特に決まりは有りませんが一般的にはメロディーの流れに応じて、基本とする長さを半小節・1小節・2小節の中から選び、部分的に特にここでコードを変えたいとか、周期を変化させたいとかいう箇所があれば考える、といったやり方で良いかと思います。

メロディーの主要な音程をピックアップする

 上の図はサブメロディーの回に使ったのと同じ物ですが、こういった要領で一つのコードの区間毎に、経過音等を抜いて、目立つ音・回数が多く出てくる音・長く伸ばした音等の印象に残る主要な音を選び出します。

コードを当てはめる

 主要な音程をピックアップしたら、ダイアトニックコードのアベイラブルノートスケールに照らしてみて、メロディーの各音がどのコードならコードトーン、どのコードならテンションに当たるかを考えて当てるコードを考えます。

 アベイラブルノートスケールについては詳しくはこちらを参照してください。

チャーチモードまたは単にモード。主にジャズで理論化されたものですが作曲の初心者の方も覚えておくと便利かと思います。ただ最初は混乱しやすく理解し難い概念でもあります。「モードとは?」からモードをコード上のスケールとして使う方法まで紹介します。

上の記事からの引用です。

・アイオニアン
コードトーン…R・3・5、準コードトーン…6、テンション…7・2(9)、アボイド…4

・ドリアン
コードトーン…R・3・5・7、テンション2(9)・4(11)・6(13)、アボイドなし

・フリジアン
コードトーン…R・3・5・7、テンション4(11)、アボイド…2・6

・リディアン
コードトーン…R・3・5、準コードトーン…6、テンション7・2(9)・4(11)、アボイド…なし

・ミクソリディアン
コードトーン…R・3・5・7、テンション…2(9)・6(13)、アボイド…4

・エオリアン
コードトーン…R・3・5・7、テンション…2(9)4(11)、アボイド…6

・ロクリアン
コードトーン…R・3・5・7、テンション…4(11)・6(13)、アボイド…2

 一般論で言うと、まずピックアップした主要な音はアボイドには当たらない様にした方が良いです。更にモチーフの最初の音と最後の音はコードトーン、大きな区切りになる最後の音はルート音が無難だと思います。最後の音は次のモチーフと続いた感じならテンションも有りです。

 後はまぁ作る人それぞれの感性でしょうか。

前後のコードとの関係も考えながら、一応モチーフの最初の音や最後の音を、ルート音とする・3rdとする・5thとする…、と順に仮定して考えてみるのが分かりやすいかと思います。

 候補のコードがある程度決まったら、スタックコードもしくは、ベースにメロディーより1~2オクターブ下のルート音を打ち込んで、実際に聞いてみて決定します。

 サスコード

 コード理論のどこかで入れたいと思いながら、今まで説明する機会が無かったのですがサスコード(susコード)というのが有ります。

 通常のトライアドの3rdの音をずらしたもので、2度にしたのをsus2、4度にしたのをsus4と呼びます。例えば「Csus2」なら構成音はC・D・Gです。

 3rdの音をずらすのでマイナーともメジャーとも違う独特の響きになり、メロディーとの兼ね合いによってはサスコードを使うのが有効な場合も有ります。

最後に

 メロディーにコードを付けるのは感覚的な部分も大きいですし、今回の記事で主に書いた様なコードに対してのメロディーの響きだけでなく、コード進行上の前後のコードとの関係も考慮すると満足できるものを作るのはなかなか難しい時もあると思いますが、そういった事も含めて創作の楽しみとして、作曲を楽しんでいただければ、と思います。

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