【コードからメロディーを作る】使える音の種類と使い方

【コードからメロディーを作る】使える音の種類と使い方

作曲でコード進行を決めてからメロディーを作るというやり方は比較的初心者の方も馴染みやすい方法だと思います。その時に、コードに対してメロディーで使える音をコードトーンとテンション・アボイドノートに分け、その解決・使い方について解説します。

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前回までに出た関連する知識

 あるコードに対して使える音のスケールをアベイラブルノートスケールと言います。メジャースケールとナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードに対するアベイラブルノートスケールはチャーチモードです。チャーチモード・アベイラブルノートスケールについてはこちらの記事を参照して下さい。

チャーチモードまたは単にモード。主にジャズで理論化されたものですが作曲の初心者の方も覚えておくと便利かと思います。ただ最初は混乱しやすく理解し難い概念でもあります。「モードとは?」からモードをコード上のスケールとして使う方法まで紹介します。

 メロディーの音程の動きで、隣の音に移行する二度の動きをステップ、音程を跳んで移行する三度以上の動きをリープと言います。メロディーを作る時、ステップとリープが適度なバランスであることは重要な要素です。

 メロディーを考えながら音をとる時、何も楽器を持っていないなら下記のようなPCのキーボードを鍵盤に見立てて弾けるソフトが有ると便利です。

VSThost 
ソフトウェアMIDIキーボード 

コードトーン・テンション・アボイドノート

 コード上にメロディーをつける時、使える音はコードトーンとテンション・アボイドノートに分類されます。各コードのコードトーン・テンション・アボイドノートについては上記リンクのチャーチモードの記事を参照して下さい。

 もちろんコードトーンがそのコードに対して協和性が高い音なのですが、コードトーンだけで良いメロディを作るのは至難と言っても過言ではないでしょう。
 メロディーの中でのテンションやアボイドノート(長いので以下まとめて「テンション」と表記します)の使い方を説明します。

テンションを挟んだ音程の動きの基本パターン

 上の図がテンションを挟んでコードトーンからコードトーンに移行するメロディーの動きの基本パターンです。薄い黄色がコードトーンです。

 順に説明すると、コードトーンからステップ移動で別のコードトーンに移行する時に通るのが「経過音」、コードトーンからステップでテンションに行って元のコードトーンに戻るのが「刺繍音」、コードトーンから別のコードトーンを超えてリープしてステップでコードトーンに移行するのが「倚音」です。
 図では全て上向きですが、もちろん上下どちらでも同じです。

 この3つのパターンは何となくでも覚えておくと良いかと思います。重要なポイントはテンションの後、一番近いコードトーンにステップで移行するという事です。メロディではこれを「解決」と言います。

メロディーの解決

 コード進行でも不安定なコードから安定感のあるコードに進行するのを解決といいましたが、メロディでは上記の様に「テンションから一番近いコードトーンにステップで移行する事」が解決です。

 解決は下の図の様にテンションが2音続いた後で解決したり、コード進行を跨いで解決したりするパターンも有ります。

 左は2音続いた後の解決の例、もちろん、このパターン以外にも色々な形が有ります。

「コードを跨いでの解決」例の左は、前のコードの最後の音がそのままの音程で次のコードのコードトーンになって解決されるケース。右は、前のコードの最後の音が次のコード迄伸ばされてテンションになり、その後解決されるケース。

 他にも先の図の倚音のパターンで、コードが変わったと同時にリープして倚音になり、その後解決するというのもあります。

 メロディーの解決は一番近いコードトーンに解決するので上の図のような場合、最後ののコードトーンで解決になり、その前のコードトーンでは解決が引き伸ばされているという事になります。

モードとペンタトニックスケール

ペンタトニックスケールはギターのアドリブ等でよく用いられるスケールです。

 通常のスケールは7音で構成されますが、ペンタトニックスケールは半音で接する音を抜いた5音で構成されます。

 半音の音程差はそれ自体が不協和音ですし、例えば完全協和音から半音ずれた音程差が不協和度を強く感じられる様に半音違うという微妙な差は、良くも悪くも感覚的に強い印象を与えるものです。

それだけにうまく使えば印象に強く訴えるメロディーになりますが、一歩違えば変に気持ち悪い感じにもなりかねません。なので半音差を除いた5音階は安心して使いやすいスケールな訳です。

 民族音楽のスケールでも5音階がよくあるように、半音を抜いた5音階というのは自然な感覚として分かりやすく、ペンタトニックスケールでメロディーを作るとスッキリした強い感じのメロディーが出来ます。逆に言うとその分「おっ」と思うような微妙な芸がない、という事にもなりかねません。

 ですのでモードも、ペンタトニックスケールを基本にして、+半音で接する音、と捉えるとメロディーを作るスケールとして扱いやすい様に思います。

 メジャー系のモードのアイオニアン・リディアン・ミクソリディアンにはメジャーペンタトニックを、マイナー系のモードのドリアン・フリジアン・エオリアンにはマイナーペンタトニックを重ねてみます。

一覧にまとめると下の図の様になります。ロクリアンはコードトーンがどちらのペンタトニックにも当てはまりませんが、同じ考え方を適用しています。

 ペンタトニックと重なるテンションはあまり解決を意識しなくても大丈夫ですが、ペンタトニック以外のテンションは、早めに半音で接している側に解決します。

 緑の丸がモードで、中心に赤い丸が入っているのがルート音です。ペンタトニックは外側の青い丸です。青い丸のついていないテンションは矢印の方に解決します。

 図はCメジャースケールの例ですが、キーを変えてもルート音が変わるだけで各モード内の音の関係は変わりません。

・ペンタトニックを基本にして、時々それ以外の音を入れる。
・ペンタトニック以外の音はすぐに半音で接している側に移行して解決する。
・ステップとリープのバランスにも注意

試しに最初の方で紹介したPCで弾けるソフト等で、上の3点に気をつけながら、どれかのモードを適当に弾いてみてください。意外と良い感じになりませんか?

最後に

 前回の記事で書いた、メロディーを作る要素で言うと今回のは、コードに対しての音程の要素です。
実際的には今回説明した様なコード上のスケールの音を確認しながら考えたイメージを形にしていくか、リズム形や全体の枠組み等の他の要素も考えてから作っていくかになります。
 他の要素についても順次書いていくつもりです。

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