【DTMで作曲アレンジ】メインメロディーとサブメロディー

【DTMで作曲アレンジ】メインメロディーとサブメロディー

ボーカル等がメインのメロディーを奏でている時に、別の楽器でも同じメロディーを奏でている時もあります。カラオケでは歌い易いように補助として入っていますが、アレンジ意図としてはメロディーを強調し厚みを持たせる為に入れる訳です。同様の意図で同じメロディーではなく、少し変化した補助的なメロディーが入っている事もあります。これをサブメロディーと呼びます。今回はメインメロディーとサブメロディーについて説明します。

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メインメロディー

 当ブログでは基本的に歌ものの作曲を前提にしています。
歌ものであれば、当然ボーカルがメインメロディーですが、ボーカルの無い部分、つまりイントロ・間奏・エンディングでは必ずしもそうだとは言えませんが、何れかの楽器パートがメインメロディーをとります。

リードとリフ

 メインメロディーをとる楽器を「リード」と呼びます。「リフ」という用語も有ってこちらは定義が少し曖昧で、私も正確にどこまでが「リフ」と呼ぶのよく分からないのですが、簡単に言うと1~2小節くらいの短いパターンを繰り返すものです。
 ですから短いメロディーをテーマとして繰り返すのをリードと呼ぶのかリフと呼ぶのか迷う所ですが、取り敢えずここではそれを「リフ」とします。
 とすると、ざっくり言ってメインとして打ち出すのはリードかリフという事になります。

どちらにしても、ギターとかピアノといったリアルの楽器ならその楽器を弾く上での特徴と言うか制約みたいなのも有りますので、DTMで打ち込みで曲を作る場合でもそういった音色で自然なフレーズにしようと思うなら、その辺の事も考慮に入れてメロディーを作る必要があります。

 当ブログの過去記事で書いてきたメロディーの作り方は一応ボーカルを念頭に書いてきましたが、リード楽器のメロディーであってもリアル楽器独特の感じを意識しないなら基本的にはそのまま同じだと思っていただいて構いません。

 リフの作り方もまぁ短いだけで同じ様に考えて頂いても良いのですが、発想としてはブロークンコードにテンションの音も加えて自由にくずす感じで、と考えるのが作りやすいように思います。で、作ったパターンをコードに沿って音程を移動させて繰り返せば良い訳です。

複音でメロディー

 単音で作ったメインメロディーを後に書く様な補助となるメロディーを使わずに複音(2音以上を重ねて鳴らす事)にして厚みを出すには、

1.並行して一定の音程差で重ねる

2.下に一定のコードトーンを重ねる。

の二通りが考えられます。

 1.は3度・4度・5度・オクターブ等の音程差でずらして、そのまま重ねます。

 2.は例えばコードがCならC・E・Gのどれかを下に置きます。

サブメロディー

 サブメロディーとはボーカルやリード楽器のメインメロディーに対してその補助となるメロディーです。ですから特に意識せずに聞いた時に、サブメロディー自体が印象に残らなくてもメインメロディーの印象に厚みや広がりが付加されれば成功と言えます。

 2つのメロディーを調和させるという意味ではクラシックの理論である「和声法」が参考になるかと思いますが、和声法では複数のメロディーがそれぞれの独立性を保ったまま調和させるのを目的としていますので少し考え方が違います。

 私も和声法に関して説明できるほど詳しくはないのですが、和声法では「連続五度」や「連続八度」、つまり5度やオクターブの音程差が連続するのは禁則とされています。
これは完全協和音である5度やオクターブの音程差で連続すると両方のメロディーが溶け合って一体化する、つまり独立性が失われる為です。

 しかしここで言うメインメロディーとサブメロディーならサブメロディーがメインメロディーに溶けてしまっても、違う楽器パートが溶け合う事によって響きに厚みが出ればそれはそれで構わないわけです。

サブメロディーをとる楽器パート

 楽器パートとしては、そのままサブメロディーを単音で鳴らすトラックを作っても良いですし、ストリングスやスタックコードに近い感じでトップノート(一番上の音)でサブメロディーを取るという方法もあります。

サブメロディーの作り方

 作り方といっても特に決まりはないのでメインメロディーと調和してメインより目立たない様にさえすれば、自由に作ったら良いのですが、一応簡単な作り方のヒントのようなものを書いておきます。

 説明だけではピンとこないと思いますので、後で実例を挙げます。

メインメロディーを単純化する

 サブですので、メインよりも地味めにする為に上の図の要領で音程変化を少なく単純化してみます。音符の長さは適当に分割しても構いません。場合によっては、これでそのまま同音程か3度・4度・5度・オクターブのどれかの音程差で並行して鳴らすだけで機能したりします。

対行と並行

 ずっと並行したままというのが単純すぎると感じるなら部分的に音程を変えてメインメロディーの音程の動きとは違う動きをする部分を作ります。

 例えばメインメロディーが上がる所で下がるか横向きにするのですが、この時メインメロディーとの方向の違いだけでなく前後での音程差にも注意する必要があります。

サブメロディーの実例

 例としてボーカルのメロディーにはは音域が少し高めですが、メインメロディーが下のようなものだったとします。

 コード進行は「C-Am-Dm-G」です。

ストリングス

 このまま単純化すると下の様になります。

 これを元にストリングスで作ってみます。

 1小節2拍目と3小節1拍目のメインメロディーが下から上がる部分を対行にしてメインメロディーの最高音であるDに対して2度下に入れてみました。

 下に入れたコードトーンは、最初「R・5th・3rd」で入れてみたのですが、それだと少し飽和気味で鬱陶しく感じたので、5thは抜いています。

スタックコード

 ストリングスのリズム形を考えてスタックコードに移植します。

 こちらは3rdの代わりに5thにしています。

 全部合わせるとこんな感じになります。

 ちなみに、メインメロディはsforzandにデフォルトで入っているTablewarp2、ストリングスとスタックコードはOB-Xdです。エフェクターは音圧調整のリミッター(LoudMax)のみ、DAWはPodium freeで作りました。

最後に

 作り方の説明は具体的に説明しづらいのですが実際にやってみると、目立つ部分の音程差にさえ注意すれば、そう難しく考えなくてもできるのではないかでしょうか。
 色々工夫してみるとアレンジの幅が広がると思います。

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