コード理論の基本【総合解説と過去記事まとめ】

コード理論の基本【総合解説と過去記事まとめ】

コードの基本からコード進行・ボイシング・テンションやモードなど、作曲の為の初心者向けコード理論について今迄に書いてきた記事を整理して、全体の流れと何を知りたい時にはどの記事を見ればよいのか、理解しやすいように作ってみた過去記事のまとめです。

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準備編または番外編

 コードは、言うまでもなく曲の音程的な調和を作り出す為のものですから、その根本には音の協和・不協和の感覚があります。
 ただし、協和か不協和かというのは、2択で簡単に割り切れるものではありませんし、厳密には協和度という一つの基準で整理できるものでもありません。

 2つの音程差のある音を、同時に、あるいは続けて鳴らしたときの感覚、例えばCの音とDの音の組み合わせとCの音とEの音の組み合わせにはそれぞれの組み合わせに独特の感覚があります。この感覚の違いががコード理論の背景としてある訳です。

 相対音感は鍛えられると言いますから、そういった感覚は慣れや努力で向上するものだと思います。しかし最初のまだ慣れないうちは、「そう感じられる」ものがどうしてそうなるのかが漠然とでも分かれば、感覚を判別し、鍛える助けになるのではないでしょうか。
 そう思って書いたのが下の記事です。

コード理論を学んでみようとした時「この音は協和音で、これは不協和音になります。」といった説明があって、それを感覚だけに頼るよりも何故そうなるのかを納得出来れば楽なのではないでしょうか。そもそも音が協和するとはどういう事なのかという話をします

 ですからこれは知らないとコード理論が理解できないというもので有りませんので、興味本位で気軽に読んで頂ければ、と思います。
 ただ、私の文章力の限界もあって、内容的には少し難しいかもしれません。

(基本編)スケールから作る基本のコード

 というわけで、ここからがコード理論の基本になります。
 曲を作るとき理論的には根本になるのはキー(調性)です。キーとは、簡単に言ってしまえば「どのスケールを使うか」という事です。

 コードもスケールから派生して導き出されるものです。

 ですから、作曲ではまず取り敢えずキーを決め(もちろん後から変えたりできますが)、そのキースケールから導き出されるコードが基本コードになります。
 まずは、各スケールから導き出されるコードを理解し、覚えるのがコード理論の初めです。

 その点について書いたのが以下の3つの記事です。

「コード(和音)について知りたい。」「作曲してみたい」と考えておられる初心者の方向けに、まずはコード理論入門の第一歩となる、スケール(音階)とダイアトニックコードと呼ばれる、スケールから作られる基本コードについて基礎から解説します。

スケールの基本コードのダイアトニックコードは3つの音の三和音だけでなく、音をもう一つ加えた四和音もあります。ダイアトニックコードとして使える四和音のコード、三和音に七度の音を加えた7thと長六度を加えた6thの二種類の四和音について説明します。

メジャースケールと違って、マイナースケールには3種類あり、その為にマイナーキーのダイアトニックコードは少々話が込み入ってきます。マイナーキーで曲を作る時にスケールとダイアトニックコードをどう扱えば良いのかを初心者の方向けに簡単に説明します。

スケール上での基本コードの発展と運用

 え~と、この項のタイトルが妙に硬いですが、別に難しい事ではないです。
実際に曲を作ってコードをつけてみて「もう少し響きを変えたい」と思った時、コードを変更せずにいじる方法は、ヴォイシングを変えるか、テンションを加えるかです。(厳密にはテンションを加えたら別のコードだという考え方もあるかも知れませんが、それは置いておきます。)

 つまり、実際に曲の中で、コードを進行に調和させ、その曲の作曲意図に合わせて使う為の手法、といった所でしょうか。

コード進行を作ってみても、今ひとつピンと来ないなら、問題はヴォイシングにあるのかもしれません。構成音が同じでもヴォイシングによって響きはかなり違ったものになります。コード進行を考える上で重要な要素となるヴォイシングと転回形について説明します。

7thコードの上に更に9th、11th、13thとテンションを積み上げていく事をコードの伸長といいます。これによってより厚みのある豪華な響きに仕上げることも出来ます。使い方によって非常に有効な手段となるコードの伸長について解説させて頂きます。

コード進行

 コード進行は定番的な進行をそのままテンプレとして使うことも出来るのですが、やはりそれだけではちょっとアレなので、自分でコード進行を作るための基本となる考え方がこちら。

スケールで使われる最も基本的で、最も重要な3つのコードが主要三和音で、スリーコードとも呼ばれます。今回はその主要三和音とコード進行を考える上での基本となるコードの機能(コードファンクション)について、基本から解説していきます。

 で、もう少し細かくコード進行の一つ一つをルート音の動きで分類して、それぞれの進行による響きの特徴を考えるのが「根音進行」です。自分でコード進行を考える場合は基本的に、まずは根音進行で考えるのが分かりやすいと思います。

その根音進行について書いたのがこちらの記事になります。

ルート音の動きで見るコード進行を根音進行と言います。根音進行は強進行、準強進行、弱進行に分類され、強進行・準強進行は進行感が強く安定感があり、弱進行は進行の指向性が弱い進行です。根音進行とコードの機能でコード進行の基本について考えてみます。

 上の根音進行の考え方でコード進行を作るのを、より楽でスムーズに作る為のツールとして「五度圏」を紹介したのがこちらの記事です。

五度圏とは#や♭も含めた12の音を円周上に、時計回りが完全五度上になる様に配置した図です。五度圏は色々使える超便利な図で、知ってると必ず役に立つと思います。今回はスケールを確認する方法とコード進行作成の補助ツールとしての使い方を解説します。

コード上で使える音

 作ったコード進行に沿ってメロディーや色々な楽器のフレーズを作る時に、フレーズの中で使おうとした音が、コードに対してどういう関係にあるのか、どの音が協和音でどの音が不協和音なのかを判別するのに使えるのが「アベイラブルノートスケール」。その「アベイラブルノートスケール」について書いたのが下の記事です。

チャーチモードまたは単にモード。主にジャズで理論化されたものですが作曲の初心者の方も覚えておくと便利かと思います。ただ最初は混乱しやすく理解し難い概念でもあります。「モードとは?」からモードをコード上のスケールとして使う方法まで紹介します。

ここでポイントになるのはやはりアボイドでしょうか。

最後に

 音楽理論について何も知らない初心者の方が「作曲してみたい」と思ったなら、取り敢えず覚えるというか、理解すべきなのはコード理論だと思います。
 ここで紹介した記事で、その「何も知らない」状態から実際に作曲出来るまでに必要なコード理論の概略は一応網羅したつもりなのですが、いかがでしょうか。

 後はコード理論だとスケール外の音を使ったコード進行の話が有りますが、それに関しても近いうちに書きたいと思っています。

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