メロディーの作り方【過去記事まとめ】
メロディーの作り方について今まで幾つか記事をアップしましたが、それぞれの記事を単独で見るだけでは具体的な手順として分かりづらい面もあるかと思い、関連連記事をまとめ補足的に説明を加えてみました。作曲初心者の方や良いメロディーがなかなか思いつかずモヤモヤしておられる方に、メロディーを作る参考にしていただければと思います。
作曲するために
作曲に限らず、創作活動全般に言える事なのでしょうが、重要なのは手を動かして、何でも良いのでとにかく形として出してみることだと思います。
うろ覚えですが、昔どこかでこんな話を読んだことがあります。
ある小説家がスランプに陥って何も書けなくなって先輩の小説家に相談した時の事だそうです。
「スランプでも何でも、とにかく書かなくちゃだめだよ。」
「でも書くったって、その書く内容が全然思いつかないんだもの。『いろは』でも書いて原稿を埋めりゃいいの?はは……」
「そうだねぇ、僕も随分『いろは』で原稿を埋めたよ。」
「……。」
実際、作る事など出来なさそうな気がする時でも、良し悪しや使える・使えないを気にせず、とにかく何らかの形でメモに書いてみるなり、DAWに入力してみるなりするうちに、ちょっとした何かを思いついたりして、その小さな思いつきが重なって自然と出来上がる、という事は有ると思います。
ただ、初心者の方が「メロディーを作ろう」と思って、とにかく何でもいいからと言われたって、何を考えてどこから手をつければよいのか全く分からないという事もあるかと思います。
それで、取り敢えず手を付ける「取っ掛かり」を挙げてみたのが下の記事です。
こちらの記事では前半では「メロディーを作る」というのを要素に分解し、作り始める糸口としてやってみれる事を幾つか挙げてます。後半では良いメロディーを作る為に留意しておくと良いかな、という点を書いてます。
メロディを作る手順
頭の中で考えて鼻歌で歌って採譜する、というやり方なら別ですが、鍵盤で音を出してみたり、DAWで入力してみたりしながらメロディーを作る時は、まず前提としてキーを決める必要があります。前回のコードの回でも書きましたがキーは後から全て同じようにズラして変更出来るので、仮にでも良いので使用するキースケールを決めます。
その上で、メロディーを作り始める手順はまず、先にコード進行を決めるか、コードを決めずにメロディーを作るかの2通りに分かれるかと思います。
コードからメロディーを作る
人によって違うのでしょうが個人的には、まだ慣れていない間や「イマイチ良いメロディーが思いつかない。」という時には、コード進行を先に作って、それを基にメロディーを作るやり方の方がやり易いのではないかと思います。
その場合の基礎知識がこちらの記事です。
コードをカバーするアベイラブルノートスケールについてはコード理論でも既に書いていますが、こちらの記事ではそれに加え経過音等のコードトーンと非コードトーンをつなげて使う基本パターンやペンタトニックを基本にしたメロディーの解決について書いています。
一応上の記事だけでもコード進行からメロディーを作る事は出来ると思いますが、フレーズのまとまりや構成を外形的にデザインする為の考え方を書いたのが下の記事です。
「何かまとまりが悪い」「曲の流れが作れない」という時はこちらの記事を参考に「枠組み」や構成を考えてから、それに従って詰めていく感じでメロディーを作るのをおすすめします。
こちらの記事に書いた「モチーフの最初の音と最後の音」を置いてみるだけでも、結構イメージはまとまり易くなるかと思います。
以下の2つの記事はメロデーをある程度分析的に作り上げていく為の方法論です。
この2つは、コード進行からメロディーを作る時にも、先にメロディーを作る時にも利用できます。もちろん、どちらかやり易そうな方だけでも結構です。どちらかと言うと、より実用的なのはリズミックモチーフの方でしょうか。
メロディーから作り始める
コード進行を先に作らずにメロディーから作り始めるのは、自由に発想を拡げたいという時ではないか、とも思いますが、敢えて定式化して言うなら、まず音域、つまり最高音と最低音を想定してフレーズ全体の流れ(トレンド)を考え、上の2つ、メロディックモチーフやリズミックモチーフの考え方で作っていくという感じでしょうか。
その場合でも「【フレーズの構造】枠組みから考えるメロディーの作成」の記事は、コードを先に決めていないので先に枠組みを作るというのとは違いますが、構成を考える上で参考にはなるのではないかと思います。
最後に
初めの方で挙げた『「取っ掛かり」を掴む方法』の記事で書いた様な要素というのは、言い方を変えれば「観点」でもあります。
つまり作ったメロディーがイマイチ気に入らないという時に、順に各要素毎に注目して改善すべき点を見つけるという考え方も出来るかと思います。