DTM・作曲関連フリーソフト超初心者向け解説―結局何が必要なのか

DTM・作曲関連フリーソフト超初心者向け解説―結局何が必要なのか

DTM関連の主なソフトはどんなものなのかを解説し、何が必要かを無料で揃えることを前提に書いていきます。
DTMに興味を持ち、調べ始めると聞き慣れない言葉が色々出てきて戸惑ったりする事も多いと思いますのでとりあえず全体の関係を整理して概要を解説します。

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・DTM関連ソフトウェアのあらましと各種フリーソフト

最初に、前回も読んでいただいた方はご存知だと思いますが、このブログではUTAUを使ったDTMで歌を作曲する方法を中心に、全くの初心者の方向きに解説していくつもりです。
なので以下の解説もUTAUを使って「歌もの」を打ち込みのみで作るのを前提としています。
「UTAUって何?」って思われた方はこちらをお読みください。

 DTMで作曲した曲というとどんな曲のイメージが浮かびますか?  貴方が作曲するならどんな曲を作りたいですか?  今回は、「作曲のススメ」とDTMで歌を作曲することについてです。

ではまずは、下の図を御覧ください。簡単なものですが主なDTM関連ソフトの関係を示した図を作ってみました。
先に書いておきますが、この図に出ている全てが必要な訳ではなく、色々なパターンは有りますがおすすめは緑の四角で書いてあるもの。
つまりDTMで歌を作曲するために必要なソフトウェアは、メインのアプリケーションとしてDAW、それに楽器とエフェクターのプラグインでVSTを幾つか、UTAUの方でUTAU本体とお好きなUTAU音源です。
以下に全体の大まかな説明とそれぞれのフリーソフトの名前だけ挙げますので、今回は大体どういうものがあるのかを整理して、把握してもらえたらと考えております。
おすすめの各フリーソフトの詳しい説明や、どこからダウンロードするか、等は別の回にさせていただきたいと思います。
では、順次説明して参ります。

下から「音源として利用できるもの」「演奏データを編集するもの」「音声ファイルを編集するもの」の3つに分けて各ソフトの関係を示しています。
項目ごとに説明します。

・シーケンサー

楽器となる音源を制御するソフトで、演奏データを編集したり、実行して演奏し たり、演奏した音を音声ファイルとして出力したりします。
演奏データというのは、どの音程の音をどれだけの長さ発音するといった発音の 指示や音源のパラメーター値を設定して音色を決めたりするもので、曲を作る時 はこの演奏データをピアノロールという画面で入力していきますがシーケンサー によっては五線譜で入力できるものもあります。フリーウェアでは、Domino、世 界樹等があります。

・UTAU

機能的にはUTAUも特殊なシーケンサーとも言えます。
歌詞やメロディー、歌い方等を打ち込んで、あらかじめ読み込んだ音源に歌わせ たり、それを音声ファイルとして出力したりする訳ですね。
前回も書きましたが、UTAU本体もUTAU音源の多くもフリーで使用可能です。

・MTR(マルチトラックレコーダー)

シーケンサーやUTAUで出力した音声ファイルをこれで加工します。
エフェクターをかけて音を変化させたり、複数の音声ファイルをミックスして一 つの音声ファイルにしたりします。フリーではAudacity、Kristal Audio Engine 等があります。

・DAW(Digital Audio Workstation)

現在のDTMでメインとなるアプリケーションで演奏データの編集も出来て音声 ファイルも扱えます。
つまり、シーケンサー+MTR=DAWなので、等式のどちらを選ぶかという選択肢が 成り立ちますが、先に書いた様に基本的にはDAWをおすすめします。と言うかDAW の説明のためにシーケンサーとMTRも説明したという面もあるのですが。
その辺りは後でもう少し詳しく説明します。
フリーでのおすすめは、また回を改めて説明しますが、とりあえず名前だけ挙げ ておくとPodium free、Tracktion6をおすすめします。

・VSTとサウンドフォント

VSTはDAW等に読み込んで使用するプラグインで、楽器の役割を果たすものとエ フェクターの役割を果たすものがあります。楽器の方をVSTi(VSTインストゥル メント)、エフェクターの方をVSTe(VSTエフェクター)と呼びます。
サウンドフォントも音源ですが、VSTiを楽器とすると、サウンドフォントは音 色にあたるもので、サウンドフォントで演奏する為のソフトに読み込んで使用し ます。VSTにもサウンドフォントプレイヤーというサウンドフォントを読み込ん で演奏するものがあります。
VSTもサウンドフォントもフリーのものが沢山あります。
余談ですが良さげなVSTを探して集めるのも楽しいもので、むしろそっちにはま る人もいるとか…。

・VSTホスト

名前の通り、VSTを使用する為のものです。(VSTはプラグインなので基本単独 では使えないので、)
スタンドアローン、つまり単独で立ち上がるアプリケーションで、PCのキー ボードを鍵盤に見立ててVSTを弾けたりします。
DAWを使う場合、必要では無いですが、VSTを試しに鳴らしてみたりするのに便利 だったりしますので持っておいても良いと思います。
VSTはVSTiだけでなくVSTeも読み込んでエフェクトをかけた状態で鳴らせます。
また、「仮想MIDIケーブル」というものを介してシーケンサー等の音源として も使えます。同種のアプリケーション一般をVSTホストと呼ぶと思うのですが、 おすすめのフリーソフトの固有名もVSTHostです。

・MIDIとは

仮想MIDIケーブルの名が出たので、唐突ですがMIDIという言葉について説明します。
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)とは電子楽器を接続して演奏データをやりとりする為の規格で、コネクタやケーブルの仕様、データをやりとりするプロトコール、演奏データのデータ形式を規定しています。

なので、MIDI規格に則ったケーブルをMIDIケーブル、MIDI形式のデータで制御される音源をハード・ソフト問わずMIDI音源、MIDI形式の演奏データを保存したファイルをMIDIファイル、と呼びます。MIDIファイルは拡張子が.MIDまたは.SMFですのでSMFファイルとも言います。SMFはスタンダードMIDIファイルの略です。

上の図の白い四角にあるMSGS音源というのは、Windowsに内蔵されているWindows標準MIDI音源です。Domino等のシーケンサーを初めて使う時はこのMSGS音源を使うのがお手軽ですが音がしょぼいとか言われています。最初のうちはそれほど感じないと思いますが、少し慣れてくると物足りなくなってきます。

仮想MIDIケーブルの話しに戻りますが、仮想MIDIケーブルとは、名前の通りアプリケーションから別のアプリケーションへMIDIデータを受け渡しする、ソフト上のツールです。
loopMIDI、MIDI Yoke、LoopBe1等がフリーで入手できます、環境によって使えたり使えなかったりするみたいなので使われる場合はloopMIDIから順に試してみてください。MIDI YokeはWindouws7以降では問題が発生する事があり、LoopBe1は使えるポート数が1個だけだそうなので。

・シーケンサーとDAW

人によっては「今更そんな話?」と思う方もおられるかもしれませんが、初心者なら迷われる方もおられるのではないかと思います。私もそうでしたので…。
先程、シーケンサー+MTRとDAWならDAWをおすすめします、と書きましたがその理由は一つの画面で音声ファイルと演奏データの両方を扱える利便性はやはり大きいと思うからです。
一つ例を上げれば、ボーカルの出来た部分を先に音声出力してDAWに載せると、ボーカルと楽器を一緒に鳴らして実際に音を確認しながら各楽器を編集していけます。
これがシーケンサーとMTRの場合はちょとややこしい事になります。
シーケンサーでは音声ファイルを扱えないので両方を同期させないと、シーケンサーの方からも音声ファイルに出力してMTRに載せる迄は一緒に鳴らして確認できない、という事になりますが、その同期させる方法を調べるだけでも大変だったりします。

ただ、シーケンサーというものが今も存在している以上、やはり存在意義もある訳で、それは演奏データの打ち込み作業自体がやりや易い事です。
よく初心者向きだとおすすめされるDominoというフリーウェアのシーケンサーがありますが、このDominoはコード(和音)の表示機能があったりと色々な点で、特に初心者の方には打ち込み作業がやり易くなっていますし、世界樹等のシーケンサーでは楽譜入力が出来ますので楽譜に慣れている方ならこういったものがやり易いかも知れません。
しかし、やり易さというのは人それぞれの感じ方の問題もありますのでどの程度の重要性を認めるかは断じ難いところですが、私の個人的な感想でいえばやり易さではDAWでも慣れてしまえばそんなに大きな違いではないように思います。むしろ先に書いた一つの画面で作業できる利便性の方がメリットとしては大きいと思います。あくまでも私見ですが。

それならもしボーカルのないインストゥルメンタルの曲を作りたいならどうなのか、と聞かれたら、その場合でもループ素材というものがあります。ループ素材というのは曲作りの素材として提供される短いフレーズで、音声だったりMIDIデータだったりします。
ループ素材集として無料で入手出来るものも沢山あり、極論を言えばループ素材を並べて調整するだけで一曲出来てしまったりします。このループ素材を曲の中で使おうとするとやはりDAWの方が良いです。

一部には最初はDominoで打ち込みに少し慣れてから考えれば良いという意見も有り、それも一理ある気もしますが、慣れという意味ではそれよりも総合的なDAWの操作に早く慣れてもらった方が良いと私は思います。
なのであくまでも私個人の意見ですが、DAWでやり始めて、もしどうしても打ち込みをやりづらく感じられるなら、その時点でDomino等との連携を考えてみても良い思います。

・最後に

なんだか妙にややこしい話になってしまいましたが、いかがでしたか?
私もDTMを始める時に、何を揃えばよいのか結構悩んだ覚えがあります。
結局のところ、DAWのような統合型環境に向かうのは時代の流れなのかも知れません。
さて次回は、そのDAWのおすすめのフリーソフトについて書く予定です。
それでは次回もよろしくお願いします。

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