【打ち込み用ドラムパターン】シャッフルのリズムとクラーベ

【打ち込み用ドラムパターン】シャッフルのリズムとクラーベ

いわゆる「跳ねた」リズムであるシャッフルの基本ドラムパターンとDAWでの打ち込み方法。それとアフロキューバン系のリズムとして、ルンバ・クラーベ、ソン・クラーべ、ボサノバクラーベのアクセントパターンを取り入れたドラムパターンをご紹介します。

 前回、前々回と合わせてドラムパターンのシリーズ記事になっています。

 今回の記事の前半のシャッフルの部分は8ビートの記事を先に読まれる事をおすすめします。

8ビートのドラムパターンの基本形について、リズムに関するごく基本的な話とパターンの構造やバリエーションから、フィルを含めたフレーズの構成の仕方まで、8ビートで実際に曲を作るまでの様々な基礎知識を解説します。

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シャッフルビート

 シャッフルとは3連符の真ん中を休符にしたリズムで、「跳ねた」と形容されるのは通常このシャッフルを指します。
 厳密には、必ずしも3連符とは限らないのですが、とりあえずは3連符のシャッフルを覚えていおいていただければ良いかと思います。

DAWで3連符を入力するための設定

 3連符を入力しようとすると1小節のステップ数は、3連符の4拍ですから12ステップになります。DAWのシーケンスエディターは普通、デフォルトで8ステップか16ステップである事が多いでしょうから、設定を12ステップに変更する必要があります。

 以前からおすすめしている「Podium free」と「Tracktion 6」での操作方法を説明します。

Podium freeの場合

 まずは、シーケンスイベントをダブルクリックする等の方法でシーケンスエディターを開きます。
上部の「1/8」等の表示のあるボタンを押して出てくるドロップダウンリスト、または左側端のボタンから「1/8」と「(3)」(Triplet)を選択します。

Tracktion 6の場合

 クリップジェネレーターをドラッグ(1.)してステップクリップを挿入します。
ステップクリップのフッター(2.)をクリックしてステップクリップのプロパティーを表示させます。
「ステップの長さ」と「ステップ数」(3.)を設定します。ステップの長さは「1/3Beat」、ステップ数は1小節のパターンなら「12」にします。

シャッフルのドラムパターン

 では、シャッフルのドラムパターンを紹介していきます。まずは普通の8ビートに近いものから、

 各拍の1と3を刻むハイハットがシャッフルの基本リズムになります。
スネアとバスドラは基本的には8ビートと同じ感じで、ハイハットと同じく1か3で入れます。

 この例の3拍目の様に1のハイハットをオープンにしても良いです。
あるいはハイハットの代わりにライドシンバルでも構いません。

 次は、後半部分を絞ってシンプルにしたパターンです。

 部分的にでもシャッフルが入ると結構印象に強いので、こういうパターンでも間延びした感じにならず、メリハリが効いて良いのないでしょうか。

 次は、更にシンプルになります。

 スネアでバックビートを取らない、1・3拍のオンビートのパターンです。
小節全体を一つのゆったりとした山として感じるといった所でしょうか。

 最後に3連符の真ん中にも音を入れたパターンです。

 これはヴェロシティの調整が少し微妙になるかもしれません。基本的には強・中・弱の3段階で調整するのですが、特に真ん中に入るスネアは弱めにした方が良いと思います。

 当然といえば当然かも知れませんが、シャッフルのパターンにフィルを入れる時は、フィルも全てシャッフルで入れます。

クラーベ

 クラーベというのは木製の打楽器です。「カッ」という硬い感じの音で、通常はそれでリズムのアクセントを叩くのですが、そのアクセントパターンの事もクラーベと呼びます。

 クラーベのアクセントパターンには「ルンバ・クラーベ」と「ソン・クラーべ」があり、下の図のようなものです。


 

 図の様な2小節で1セットのパターンになります。
見てていただいた通りルバ・クラーベとソンクラーべの違いは3打の小節の4拍目が表か裏かの違いです。

図の例では前の小節が3打、後ろが2打になっています、これを3-2と呼び、前と後ろの小節を逆にしたパターンをを2-3と呼びます。
 曲の途中で3-2と2-3が入れ替わる場合は3や2を続けるのではなく、余分な1小節を挿入するか、本来より1小節少ない部分を作るかのどちらかの方法で入れ替えるそうです。

 それでは、クラーベを取り入れたドラムパターンを紹介します。

 まず音色ですが、クラーベは音色にクラーベがあれば勿論それでも良いですし、クロススティック・ウッドブロック・カウベル・スネアのリム等の堅い感じの打楽器であれば代わりになります。ハイハットはライドシンバルでも良いですし、クラーベにカウベルを使わないならハイハットの代わりに弱めのカウベルにする等いろいろ考えられます。

 リズム形としては、上図のクラーベとバスドラムの組み合わせがクラーベをドラムセットで叩くリズムパターンの骨格となる基本形と言えると思います。

 上のバリエーションです。ハイハットのパターンを替え、バスドラを1・3拍の表に加えています。

両方共、2-3ソン・クラーべの例ですが、3-2でもルンバ・クラーベでもそのままクラーベだけを替えて使えます。

ボサノヴァ

 ボサノヴァは音楽のジャンルとしてはルンバやソンとは少し違うかと思いますが、リズム形としては似ています。ボサノバのアクセントパターンもボサノヴァ・クラーベと呼ぶこともあります。

 ボサノヴァの基本ドラムパターンは下の様なものです。

 ボサノヴァと言うとこのドラムパターンがスタンダードになっているみたいですが、基本的に上のルンバ・クラーベ、ソン・クラーベと同じ様に考えて構わないかと思います。
2-3パターンもありです。

 先の他のクラーベでもそうですが、何か変化を加えるとしたらまず考えられるのは、ハイハットの2拍目の表と4拍目の裏をオープンにする等の違う音色を使うか、ハイハットペダル等を加えるとかでしょうか。

最後に

 後半のクラーベに関しては元々のジャンルのイメージや雰囲気を意識するのか、独自のイメージで取り入れるのかは考え方次第だと思いますので、バリエーションや構成の仕方等をこんな感じでと言い難いのですが、せっかくですからその辺は自由に考えていただければと思います。

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