フリーVSTエフェクターの初心者向けおすすめピックアップ!

フリーVSTエフェクターの初心者向けおすすめピックアップ!

「DTMは始めたばかり」という初心者の方が取り敢えず持っておけば良さそうな、使いやすくて効果的なフリーのVSTエフェクターをピックアップしました。エフェクターの種類の簡単な説明も付けています。

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バンドル

幾つかのエフェクターがセットになって配布されている、エフェクター・バンドルです。

MFreeFXBundle

ダウンロード:MFreeFXBundle(MeldaProduction)

 MeldaProductionが配布しているフリーのエフェクターの詰め合わせ。
非常に沢山(多分エフェクターとユティリティー合わせて32個)のセットで、しかも使いやすいものが多く、まだエフェクターが揃っていない初心者の方には是非おすすめします。

Blue Cat Free Pack

ダウンロード:Blue Cat Free Pack

 Blue Catが配布しているフリーエフェクター6個のバンドル。中でも特にコーラスは評価も高く上のMFreeFXBundleにコーラスが入っていない事もあって合わせて持っておくと良いかも。

スペクトルアナライザー

エフェクターというか、アナライザー(分析器)ですね。周波数毎の音の成分の強さが表示され、バランス調整やエフェクターのかけ方の参考にします。

SPAN

ダウンロード:SPAN(Voxengo)

 レベルメーター付きの多機能で軽いスペクトラルアナライザー。
フリーのスペクトルアナライザーでは多分最もポピュラーだと思います。
モードを切り替えてステレオのL/RだけでなくMid/Side(ステレオの中央部と外側のバランス)を表示可能。下の Marvel GEQと組み合わせてMid/Side調整ができます。

リミッター

簡単に言うと主に音を大きくする為のエフェクターです。単にボリュームを上げると、強く出ている部分でピークを超えて音が割れてしまいますので、強く出ている部分を抑えて全体を上げる必要があります。これを音圧を上げるといい、リミッターは名前の通り設定した値(threshold)を超えないように制限する事で音圧を上げます。当然かけ過ぎると音が潰れて歪みます。ギター等で逆に歪ませるために使うこともあります。

LoudMax

ダウンロード:LoudMax(Thomas Mundt)

 可能な限り元の音質を変化させずに音圧を上げられるよう設計されたプラグインだそうです。
実際に結構思い切って掛けてもクリアーな音が出るように感じました。シンプルで使いやすいオススメのリミッターです。

George Yohng’s W1 Limiter

ダウンロード:George Yohng’s W1 Limiter(4Front)

 結構前からある人気のプラグインです。
Waves L1 limiter という有名なリミッターをモデルに作られたそうで、ものすごく簡単に音圧が挙げられます。ただ、その分やり過ぎにご注意を。

コンプレッサー

音を大きくするエフェクターその2。リミッターと似ていますがコンプレッサーの場合は設定したレベル(threshold)を超えた分に対して設定した比率(retio)に圧縮します。retioを1:2とか1:3に設定して超えた分の強さを1/2とか1/3にする訳ですね。

SAFE Compressor

ダウンロード:SAFE Compressor(SEMANTIC AUDIO)

 コンプレッサー・イコライザー・リバーブ・ディストーションがセットになったSAFE Pluginsとして配布されているのでバンドルの項に入れるべきかも知れませんが、特にこのSAFE Compressorを紹介したかったので。
グラフの様なUIが非常に分かりやすく、設定した値でどの程度圧縮されているか視覚的に確認できる初心者にはありがたいコンプレッサーです。

MJUC jr.

ダウンロード:MJUC jr.(Klanghelm)

 サチュレーションを加味した音色のヴィンテージコンプレッサーのエミュレーション。
操作は圧縮量と出力レベルの2つのツマミにタイミングの設定だけというシンプルさ。

(用語解説)サチュレーション
 歪の一種。
いわゆる真空管アンプの音の温かみをソフトサチュレーションといい、エフェクターで意図的に付加するサチュレーションはこのソフトサチュレーションを指す。これにより原音には無い倍音が加わりハリが出て豊かな感じの音になる。

イコライザー

スペクトルアナライザーは周波数毎に音の成分の強さを表示する。と言いましたが、イコライザー(略してEQと言ったりします)は周波数毎の音の成分の強さを調整するエフェクター。
音楽プレイヤーにも付いてたりしますので馴染みがあるかと思います。
調整する方法によってグラフィックEQ、パラメトリックEQ等の種類があります。

TDR Nova

ダウンロード:TDR Nova(TOKYO DAWN RECORDS)

ダイナミックイコライザーというイコライザーとコンプレッサーを合わせた様なエフェクター。
イコライザーとしては4バンド+ハイパス・ローパスフィルターのパラメトリックEQで、通常のパラメトリックEQなら両端のフィルターと4つのポイントで曲線を作って各周波数の成分の強さを調整するのですが、このTDR Nova場合はそれに加えてコンプレッサーとしても機能し、4つの各ポイントにthresholdを設定してthresholdの曲線も作れます。
周波数を切り分けて各帯域毎に設定できるコンプレッサーは他にもありますがTDR Novaはそのさらに凝った調整ができるエフェクターといったところでしょうか。

TDR VOS SlickEQ

ダウンロード:TDR VOS SlickEQ(TOKYO DAWN RECORDS) 

こちらは3バンドEQ+サチュレーターです。
主にマスターやボーカル等の周波数レンジの広いトラック用でしょうか。
サチュレーションの掛り方や高・中・低域のバランスとその間の曲線の選択で音色を調整します。

Marvel GEQ

ダウンロード:Marvel GEQ(Voxengo)

 16バンドの2chグラフィックEQでステレオのL/RやMid/Sideに切り替えて調整できます。
SPANの所でも書いたように、この2つの組み合わせで視覚的に確認しながら手軽にMid/Side調整が出来ます。ただ、Mid/Side調整自体がある程度調整する人のセンスによるところがありますのでいきなりは少し難しいかもしれませんが。

リバーブ

 壁で反射した残響音を作るエフェクターです。リアルで楽器を弾いているのを聞いた時、特殊な環境でない限り大体何らかの残響音を楽器自体の音と一緒に聞いているのが普通です。あまり意識していなくても、そういった残響音を楽器の演奏を聞いている時の空気感として捉えています。
リバーブの使い方としては全体にかけてその空気感を再現するルームシュミレーターとしての使い方と、もうひとつは、自然にはあまり発生しないような残響音を一種の特殊効果として、ある特定の楽器にかける使い方があります。

Oril River

ダウンロード:Oril River(KVR:Oril River)

非常に優れたルームシュミレレーターで使いやすく音も綺麗です。
プリセットから簡単に設定を選んで使う事もできますし、そこから細かく作り込んでいく事もできます。

TAL-Reverb-2

ダウンロード:TAL-Reverb-2(Togu Audio Line)

上記の使い方で言うと、こちらのTAL-Reverb-2はある種の特殊効果として使いやすいプラグインです。シンプルなUIで音色の調整もしやすいと思います。

ディレイ

リバーブのところで説明しませんでしたが残響音というのは、元の音の尾を引くように、ぼわんとした響きが残ることです。それに対して反響音、つまり山びこのように少し遅れて繰り返す音を作るのがディレイです。

Spaceship Delay

ダウンロード:Spaceship Delay(Musical Entropy)

多機能なディレイでモードの切り替えやフィルター、エフェクトで様々なディレイエフェクトを作り出せます。特にフィルターはシンセに組み込まれているフィルターをエミュレートしたというちょっと珍しいフィルターが含まれています。

digitalfishphones

 シンセで有名はU-heという会社でソフトウェア開発をしている方が運営する「digitalfishphones 」というサイトで配布されているフリーのエフェクターです。
win64版が無いのと独特のエフェクターで分類に迷ったので一応別枠にしましたが、どれも優秀なエフェクターで個人的に手放せないので紹介します。

ダウンロード:the fish filtets (win32,Mac)

 コンプ、ディエッサー、エキスパンダー/ノイズ・ゲートの3点セット
特にコンプレッサーのBLOCKFISHはプリセットに「vintage vocals」と「close-up vocals」というのがあって、これがボーカルに掛けるとほんとに良い感じに音が変わります。
使える環境の方にはぜひ試していただきたいエフェクターです。

ダウンロード:dominion (win32,MacOS9)

 シグナルモデリングデバイスと書いてますが、音の立ち上がり部分と安定的に伸びる部分の強さを調整でき、それにリミッターとサチュレーションをあわせたエフェクターです。
イメージし難いかもしれませんが、音の感覚的な強さを調整する感じでしょうか。
ドラム等なんでも使えるでしょうが、私はいつもボーカルトラックに使っています。

・最後に

 どんなエフェクターが必要になるかは作る曲次第でしょうから、ごく基本的なエフェクターだけ紹介しました。
後これに加えるとしたらコーラスとフランジャーそれと歪系でしょうか。
ご紹介したバンドルを両方とも入手すれば、その中に入っていますが。
色々試してみてお気に入りを探して頂けたらと思います。
使い方に関しては今後少しづつ書いていくつつもりです。

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